私から見た Trickle の歴史

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Trickle 感想

Trickle というサービスをリリース初日から使っていて、個人開発ならではのスピードで色々変わっていくので書き留めておこうと思いました。

Trickleとは

公式サイトを見てもほぼ何もわからないので、開発者のブログを読んでください。

タイトルにある通り、気兼ねなくアクティビティを書き留められるサービスです。

私から見たTrickleの歴史

※Androidユーザーです

2018/11/12

公式の動き

Trickle の Android, iPhone アプリ同時リリース。

アプリの中身として、開発者のブログからは読み取れなかった点に絞ると以下の点がありました。

(1) all activities, all topics, all users の存在

アプリのキャプチャ画像を見ますと、右上に検索マークがあります。

この検索マークをタップすると当然検索画面に遷移します。

検索画面には Activity, Topic, User の3タブがあるのですが、遷移直後の挙動は検索ワードなし=全件検索となっていました。

その中でも特に Activity タブが最優先表示であるため、検索画面に遷移するたびに全員の投稿が並ぶタイムラインを見る体験をすることになりました。

なお、全件検索時は各タブ all activities, all topics, all users という風に記載されるので、今後は検索画面遷移時の初期表示タイムラインを all activities と呼びます。

(2) プッシュ通知

自分のトピックをサブスクライブされたり、アクティビティをリンクされてもプッシュ通知はこない(アプリ内の通知はある)

と開発者のブログに書いてありますが、サブスクライブしたトピックに新規投稿があるたびにプッシュ通知が来ます。

アプリ内には通知を制御する機能がないので、この通知を切るには端末の設定からアプリの通知をすべて切るしかありません。

※私は早々にアプリの通知を切ったので、この機能についてはその後どうなったか把握していません。よってこれ以降は言及しません。

私の動きと感想

配信日の昼休みにはてブで開発者のブログを見て職場でインストールしました。

私は開発者のブログを見てインストールしたのでアクティビティを書き留めるサービスだと思って使い始めたのですが、幾つかの媒体ではSNSとして紹介されたらしく、SNSだと思って使い始めた人もいたようです。

アカウント設定にプロフィール画像設定欄がなくて仕方ないからトピック作ったらホームに設定欄が出現して戸惑ったり、タイムラインを下にスクロールしていくと投稿がループしたり、突然検索画面が落ちるバグがあったり、プッシュ通知をアプリ内から切れなかったりしたものの、おおむね満足して使い続けることにしました。

アプリ内体験としては、特に初期でユーザー数が少なかったこともあって all activities の比重が大きく感じました。

またトピック検索時、トピックの説明欄の記述が検索対象でない仕様だったので、やや検索性が悪かったと思います。

アプリ内が全部英語なのはグローバルを感じました。

2018/11/13

公式の動き

検索が落ちるバグの修正。

確か同時にプロフィール画像はアカウント設定から設定できるように改善された。

私の動きと感想

ユーザー数がもりもり増加していくなあと思っていました。

開発者のブログにもある通りリンク機能は非常に自由度が高く「いいね」のようなトピックを作ることで「いいね」機能をエミュレートしてしまえるのですが、そのような使い方のユーザーが増加した結果、all activities に同じ投稿が繰り返し上がってきてしまうのが一部に問題視される気配がありました。

また検索除けしたいようなアクティビティを行うユーザーからは all activities に投稿が載るのを嫌う声も上がっていました。

それと Trickle で Trickle のことを考えたり話したりするユーザーが結構多く見えました。(私が興味あったから目についただけかも)

2018/11/17

公式の動き

同じ投稿がループする問題がもうすぐ修正される気配のご報告。

また、

結構意図と違う感じの使われ方してるなー。

という発言が開発者よりTrickleに投稿される。

私の動きと感想

開発者が言う「意図と違う使われ方」とは何か、開発者のお気持ちを考察するユーザーが大盛り上がりしました。

私の観測範囲でもっとも多かったのは「いいね」系トピックが意図と違うのではないかというものでした。

私自身も開発者の投稿が非常に気になり、当時下記のような考えを投稿しました。

「いいね」トピックは開発者のブログにも書いてあるし、リンク機能のハックは推奨されている。それより開発者のブログに

TwitterとTrickleの紹介文を端的にまとめると、違いがはっきりします。 - Twitter: みんなの発信を見る → 参加 → 自分も発信 - Trickle: 書き留める → サブスクライブ → 相互の影響

とあることから、all activities を眺めて会話するような使い方が想定外なのではないか。

2018/11/18

公式の動き

同じ投稿がループする問題を含むバグフィックス、機能追加アップデート配信。

一番重要な変更は「This is not an activity」

と開発者から Trickle に投稿される。(※この投稿は This is not an activity 設定だった。)

この設定は機能上は

  • all activities に掲載されない(検索にもヒットしない)
  • リンク先に通知がいかない

という機能を有していたが、それは副次的なものであり、意味としてはそのまま「これがアクティビティかどうか」を示すものとのこと。

また、どんな使い方が意図と違っていたのか、どういう使い方を実現する設計にしたいかが語られた。

ざっくり言うとリンク機能を使ったいいねや返信などのコミュニケーションをメインとするユーザーがいるというのが想定外で、他のユーザーにもコミュニケーションを取る場だという影響を与えたかもしれないことを懸念していたとのこと。

この部分を是正する処置として、コメントがついていないリンク(「いいね」系トピックに多い)は all activities に掲載されなくなった。

その他、確かこの頃にトピック検索で説明欄の内容も検索対象となった。

私の動きと感想

ちょっと開発者はユーザーを信じすぎで、This is not an activity は all activities に流さない設定と捉えられるだけだと思いました。

更に開発者が「全てのアクティビティに流さないだけなら silent とかでいいけど、それだとコンセプトに寄与しない」とお考えだったので、「人目を憚る趣味をお持ちの人も気兼ねなく書き留められるようになるので、コンセプトに寄与しないってことはないと思う」と返信しました。

アップデートへの反響ですが、私の観測範囲では「いいね」系トピックが all activities に流れないようになったのは好意的な受け止められ方がどちらかというと優勢でした。

This is not an activitiy 設定も、all activities に流さない設定としては好意的に捉えられていたように見えました。

しかし This is not an activity 設定には「その設定がされている投稿を This is not an activity なしの投稿からリンクすると、リンクした投稿は all activities に載る」という仕様があり、検索除けとしては十分な機能がありませんでした。

さらに開発者がコミュニケーションをメインとするユーザーが想定外だったことを明らかにしたこともあり、特に all activities に常駐してコミュニケーションするようなユーザー層とそうでないユーザー層の分断がどんどん深まっていく一つの契機になったのではないかと後から思いました。

私は all activities を検索画面の初期画面にするのをやめてほしいというフィードバックを送りました。

2018/11/24~2018/11/25

公式の動き

開発の進捗報告あり。

アップデートは無し。

私の動きと感想

特定ユーザーのことになるので詳しく書きませんが、ユーザー間の衝突が発生し始めていました。

早すぎるユーザー増加。

SNSとして設計されていないがゆえに、SNSとして「人を選別する」機能が欠けた仕様。

検索除けとしては不完全な This is not an activity 設定の実装。

自由度が高すぎるリンク機能。

問題と思えることはたくさんありましたが、一番問題なのはユーザーにアプリのコンセプトが理解・共感されていないことだと思います。

Trickle のコンセプトは Twitter ではないし、SNS 疲れした人のための SNS でもないし、インターネット掲示板でも mastodon のローカルタイムラインでもなく、「気兼ねなくアクティビティを書き留められるサービス」ですが、残念ながらユーザーに伝わりません。

私が思うにはコンセプトが新しすぎる上にアプリの自由度が高すぎるので、もっと強引かつ丁寧に説明しないといけないのではないかと思います。

アプリの自由度が高すぎるというのは、たとえば 「匿名SNS ilka」というアプリがあるのですが、これはコンセプトに沿う使い方しかできないように機能を絞っています。そのため初めて使うユーザーでも自然にコンセプトに沿った使い方をできるわけです。

でも Trickle は違います。ユーザーの考え次第でたくさんの使い方ができます。それは面白さでもありますが異なる使い方のユーザー同士に衝突を招きますし、「自分が期待する使い方ができない」という不満の種ともなりえます。

そして悪意あるユーザーが機能を悪用したときの想定も欠けており、全体的にユーザーのリテラシーを信じすぎている作りに見えます。

そんなこともあって私は少し Trickle と距離を置きたいなと思うようになり、言いたいことを言った後にトピックごと消したりしていました。

2018/11/29

公式の動き

大きなアップデート。

all activities, all topics, all users が消えた。更に検索ワードなしでの全件検索は不可能となる。

それに伴い This is not an activity 設定は消えた。

その他機能制限・改善あり。

  • 画像添付枚数制限
  • アクティビティの検索対象にトピックタイトル・説明欄が含まれる、トピックの検索対象に説明欄が含まれるアップデートが正式なものとなる

など。

私の動きと感想

個人的には素晴らしいアップデートだと思います。

やはり This is not an activity 設定ではアプリのコンセプトを浸透させることはできず、all activities の存在によって Twitter のような使い方が加速する。

だから all activities を無くすという大きな変更を行い、コミュニケーションメインのユーザーが離れてでもコンセプトを大事にするという姿勢。このスピードと決断が個人開発だなあと思いました。

他のユーザーの反応はあまり見ていないのですが、幾つかの Trickle 考察系トピックや雑談系トピックを見たところ、やはり好ましいと思う層・残念だけど仕方ないと思う層・all activities に近くなる検索ワードを探す層など色々いました。

This is not an activity が無くなったので検索除けは再び不可能となったのですが、どうも開発者的には検索除けはコンセプトに寄与しないようなので、そういう趣味は別のところでやってほしいということなのかもしれません。

あとアプリのコンセプトはまだ浸透していませんし、未だに SNS 的な使い方はできるので、SNS 的な問題へのスマートな対処・悪質ユーザーによる嫌がらせへの自衛などの手段は求められている向きがあります。

自分としては、ユーザーの衝突をうっかり目にしなくてよくなったのでまた Trickle を使っていく気持ちになりました。

これからも見守っていきたいと思います。

終わり。